角崎莉音「Re-construction Daikanyama」
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木の下でコーヒーを片手にくつろいでいる人がいたり、軽やかな歩調で犬の散歩をしている人がいたりと、どことなく洒落た印象のある代官山に設計するにあたって、どういった要素が代官山を代官山たらしめているのかということの調査を行い、そこで得られた建築的要素を分析し、代官山の新たなシンボルとして計画敷地に再構成することを試みた。
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地下カフェスペース
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1階パン屋
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部屋内観
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調査から街の魅力となっていると考えた要素を9つ抽出した。
この要素の中で特に代官山らしいと感じた、
8の「入って行きたくなる奥行きのある空間」
に関して、どのように設計に落とし込むかということを一番に考えた。
まず、今回の課題の中で求められた諸室の数や量から考えられるボリュームを恣意的に配置した。
その後この配置に規則性を持たせるために、上記のような30°ずつずれるグリッドを適用した。このグリッドは先程の恣意的なボリュームの配置をできる限り崩さないように考えたときに思いついた。
グリッドに合うようにボリュームを微調整し整列させた。恣意性をできる限り保ちつつも規則を持たせることができた。
尚、ここで出てきたグリッドをもとにその後の壁の配置や、住戸の設計も行った。
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設計を行っていく中で壁にぶつかった際、9つの要素に立ち返ることで解決法を模索し、随所にそれらを散りばめた。
また、単一としても魅力のある要素ではあったと思うが、複数の要素の掛け合わせによって代官山らしさを継承しつつも、より新しい空間が生まれた。
ライノ世代の申し子的な角崎君が自身の思考とAIによるオートメーション化の狭間において生み出した習作である。リサーチは素朴だが熱があり、その組合せ方に特段の説得力はないが、複雑なエレメントをまとめすぎずにカタチにし、住まい方へのテーマも投げかけようとしているのは見事。時代やこの国の空気的なものを読んで、エレメントを扱う方向に踏み切ったようだが、もう少し小さな空間を内包するくらいのスケールを単位として扱う作品も見てみたいところ。(富永大毅)